アーリーリタイアはじめのいっぽ

個人で様々な投資を実践する「かぶとちょう」と現役債券トレーダーの「ぼんでぃ」がお送りする資産運用(資産形成)ブログです。

【これって節税?】年金生活者の両親を扶養に入れる条件とは?

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こんにちは。ぼんでぃーです。 

最近僕の元に、「両親を扶養に入れたいんだけど詳しいことわかる?」と相談されることがしばしばあります。

実際に年金生活者である両親を扶養に入れるには様々な条件があるので、今日の記事で紹介していきたいと思います。

年金生活者である両親を扶養に入れるメリットとは?

まずは、メリットから説明します。

一口に扶養といっても、「税金の観点における扶養」「健康保険の観点における扶養」の二つに分けられます。

端的に申し上げると、税金関係における扶養では「課税所得の引き下げ効果(=節税)」、健康保険における扶養では「支払健康保険料の節約効果」が得られる可能性があります。

もう少し詳しく見ていきたいと思います。

まずは税金の観点における扶養ですが、こちらは主に扶養者側(入れる側、主に子供)のメリットになります。扶養親族が増える事で控除額が増え、支払う所得税・住民税を減らすことができます。※

実際の控除額は扶養対象である両親の年齢や同居の有無で変わってきます。

控除額は大きく分けて3パターンあり、

 

・通常の扶養親族 <所得税:38万円><住民税:33万円>

一般的な扶養親族一人当たりの控除額です。

 

・老人扶養親族 <所得税:48万円><住民税:38万円>

扶養親族の年齢が70歳以上である場合の控除額です。

 

・同居老人扶養親族 <所得税:58万円><住民税:45万円>

前項の老人扶養親族のうち、自分や配偶者の父母で、同居している場合の控除額です。

 

※上記の金額はあくまで控除額であり、支払い所得税・住民税から直接差し引かれるものではありません。節税効果の実額は所得額によって変動します。

 

次に健康保険の観点における扶養ですが、こちらは主に被扶養者側(扶養に入る側、主に親)のメリットになります。被扶養者となることで、健康保険料を支払う必要がなくなります。扶養者自身も扶養する人数が増えることで健康保険の保険料が上がることもありません。

 

僕が相談を受けるのもこちらのパターン多くて、

両親が退職後、国民健康保険に移行したけど保険料が高すぎてどうにかならないかといった具合ですね。

扶養するための条件は?

扶養するための条件ですが、こちらも「税金の観点における扶養」「健康保険の観点における扶養」の二つに分けられます。

 

「税金の観点における扶養」ですが、扶養するための条件は以下の通りになります。

・収入制限 被扶養者(親)の年間所得の合計が38万円以下 

<税金>被扶養者の年収制限 収入(年額)
65歳未満 108万円以下 公的年金控除70万円+基礎控除38万円
65歳以上 158万円以下 公的年金控除120万円+基礎控除38万円
※遺族年金・障害年金はこの額に含まない。

・子と親が生計を一にしている(以下国税庁タックスアンサーを引用)

 「生計を一にする」の意義

Q「生計を一にする」というためには同居が要件とされていますか。

A「生計を一にする」とは、必ずしも同居を要件とするものではありません。例えば、勤務、修学、療養費等の都合上別居している場合であっても、余暇には起居を共にすることを常例としている場合や、常に生活費、学資金、療養費等の送金が行われている場合には、「生計を一にする」ものとして取り扱われます。なお、親族が同一の家屋に起居している場合には、明らかに互いに独立した生活を営んでいると認められる場合を除き、「生計を一にする」ものとして取り扱われます。

要は、同居して養うか、別居して仕送りをしているかどうか、といった感じですね。

更に、その生計を一にしているかどうかの確認方法については以下のような記載がありました。

地方に住む両親を扶養控除の対象とする場合

Q従業員が地方に住む両親を扶養しているとして「給与所得者の扶養控除等申告書」を提出してきた場合、会社(源泉徴収義務者)はそのことを何らかの書類により確認する必要があるでしょうか。

A別居している者を扶養控除の対象とするためには、常に生活費、療養費等の送金が行われているなど「生計を一」にしていることが必要となります。法令上、源泉徴収義務者に対してこれを証明する書類等を提出することまで必要とされているわけではありませんが、正しい扶養控除の計算を行うためには、銀行振込や現金書留により送金している事実を振込票や書留の写しなどの提示を受け確認することをお勧めします。

要は、証明書類の提出は義務付けられていませんが、仕送り等をしている実績は残しておきましょう。ということですね。

 

また、「健康保険の観点における扶養」ですが、扶養するための条件は以下の通りになります。

<保険>被扶養者の年収制限
年齢制限 収入(年額) 備考
60歳以下の場合 130万円未満

<別居>親の年収が扶養者の仕送り額より少ない

<同居>親の収入が扶養者の年収の半分未満

60歳以上又は障害者 180万円未満

※遺族年金・障害年金等もこの額に含まれる。

 

こちらは税金より少し条件が厳しいですね。単純な収入額制限の他に扶養者の年収下限等も設定されています。

後期高齢者保険加入者は注意

75歳の誕生日を迎えると、後期高齢者医療制度の加入が義務づけられます。これは前述の健康保険とは全く異なる制度になり扶養の概念はなくなってしまうので、両親が75歳以上の場合(75歳以上になってしまった場合)、扶養に入れることはできません。

該当する人は確認してみるべき!

上記に記した通り、年金生活者の両親を扶養している事を認められるにはいくつかの条件がありますが、当てはまった人は制度を活用するべきです。

一方で、扶養している事の証明方法等は会社によって手続きが違うので確認してみましょう。

話し合いにくいテーマではありますが、利用すれば大きな効果を得られるのでご両親ともよく相談してみてください。

 

 

 

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