【FOMCとは?】マーケット再頻出項目のFOMCを徹底解説 FRB?FEDとは?【6月8日更新】
こんにちは!ぼんでぃ (@bondy_trader) です。
6/20にFOMCがありますね。
マーケットを見る上で最重要イベントであるFOMCをFOMCってなに??って思ってる人でもわかるように一から解説していきます。
まずは重要語句から
FRBは聞いた事がある人も多いと思います。Federal Reserve Boardの頭文字を取っていて、訳すと連邦準備制度理事会です。日本でいう日銀と同じ位置づけで、アメリカの中央銀行制度の最高意思決定機関になります。FRBの議長は大統領によって指名され、現在の議長はパウエル議長です。
FED(フェド)という単語もよく聞きますね。こちらはFederal Reserve System(連邦準備制度)の先頭のFedをとって呼ばれています。FRBやこれからご説明するFOMCをひっくるめた、米国中央銀行制度そのものの総称になります。
FEDと日本の中央銀行制度の大きな違いは、日本が中央銀行が1つ(日本銀行)であるのに対して、アメリカは12の連邦準備銀行があります。それぞれの州の独立性が強いため、中央銀行を1つの州に置かず分散させることでバランスを取っています。
FEDの最大の使命は「雇用の最大化」と「物価の安定」で、金融政策を駆使して達成を目指します。金融政策の一例としては、よく話題に上がる「利上げ」や「利下げ」ですね。
利上げ、利下げの仕組み
米国の民間銀行はFederal Fund(準備預金)を連邦準備銀行に一定額預金を置かなければなりません。Federal Fund自体は無利息なんですが、Federal Fundにおいて民間銀行同士で貸し借りを行う時には金利が発生し、FF金利(FFRate、銀行間短期金利)と言います。
FEDは市中のお金の量をコントロールすることでFF金利が上下動するするように誘導します。この時のレート誘導目標を引き上げたり、引き下げたりすることを利上げ、利下げと言います。
~中級者向けなので飛ばしてかまいません~
リーマンショックの時にFEDは活躍しました。金融政策を最大限に活用し、落ち込んだ米国経済をプッシュアップさせました。FEDは金融機関の持つ米国債やモーゲージ証券を買い(買いオペ)、Federal Fundの量を増加させることで金融機関の貸出を促進しました。また、利下げによって短期の金利を低下させるだけでなく、長期国債を大量に購入することで長期国債の金利を低下させ、イールドカーブをフラットニングさせる事で民間企業の借入コストを低減させ設備投資を促進しました。
すごく単純化すると、FF金利が上昇(利上げ)すれば民間銀行による民間企業への融資の金利も上がりやすくなり、低下(利下げ)すれば融資の金利も下がりやすくなります。企業の投資活動も融資の金利の高低によってしやすさが変わり、利下げ局面では設備投資がしやすくなるため、景気も浮揚しやすいといった仕組みになります。
FOMCって結局なんなの?
FOMCとはFederal Open Market Comitteeの略で、日本語に直すと連邦公開市場委員会です。
FRBが年に合計8回開く金融政策等を決定する会合になります。FRBの理事5人と連邦準備銀行の総裁5人人が参加し、金利の誘導目標等が話し合われます。年に8回開かれると申し上げましたが、3、6、9、12月開催のFOMCは特に大切で、FRB議長の記者会見が行われるだけでなく、SEP(Summary of Economic Projections)と呼ばれるFOMC参加メンバーによる経済予測が発表されます。
SEPの中でもドットチャートと呼ばれる、将来の政策金利水準の予測が発表され、マーケット参加者は注目しています。
冒頭のMinutesって結局なんだったの?
FOMCは開催されてすぐに発表されるStatement(声明)と、3週間後に発表されるMinutes(議事録要旨)があります。
以下のサイトにアップロードされます。
Statementが基本的に全体としての見解が示される一方で、Minutesではもう少し細かく各委員会の意見が示されております。Minutesでは実際に委員が発言した表現方法まで記されており、会合の動向を知る上で非常に参考になります。
明日は赤丸で囲んだあたりが更新されるはずです。
ちなみに会合の全内容は5年後に公開されることになってます。
生の情報にアクセスできる(原文を読んで自分なりの解釈をする)が一番望ましいですが、最初のうちはStatementやMinutesが出た段階で検索をかければどこかしらの会社が一部の和訳と考え方を解説していると思います。
マーケット参加者にとって、FOMCは当たり前のイベントになっているので、年に8回のStatementとMinutesは最低限チェックするようにしましょう!
補足
最後に、FOMC関連の事を調べてると頻繁に出てくる単語を補足して終わります。
ハト派・・・景気を弱く見ている人たちのこと。金融緩和(利下げ)寄りの考え方
タカ派・・・景気を強く見ている人たちのこと。金融引き締め(利上げ)寄りの考え方
IOER・・・米国の民間銀行がFederal Fundに預けなければならない所要準備を上回った準備預金に付与される金利。(日銀でいう付利金利)
6月20日はFOMCがあります!
6月20日はFOMCが予定されています。マーケットにおいてFEDの動向が非常に注目されている中での開催になるので、FOMCの注目度も非常に高くなっています。
グローバルで景気減速傾向が見られる中で、米国経済も景気後退に入るかどうかの分岐点にいます。ソフトデータ(ISM製造業景況感指数、マークイットPMI等)では低下傾向が見られており、ハードデータでも悪い数字が出れば、利下げの折り込みは強くなっていきます。また、一段の悪化を経験する前に、予防的利下げを行う可能性もあり、今回のFOMCは利下げ観測が強まってからの初めてのFOMCになるので、FEDの動向はチェックしておきましょう。