アーリーリタイアはじめのいっぽ

個人で様々な投資を実践する「かぶとちょう」と現役債券トレーダーの「ぼんでぃ」がお送りする資産運用(資産形成)ブログです。

NISA口座は初心者向きではない?実は難しいNISAの使い方|注意点・デメリット

NISA口座は初心者向きではない?実は難しいNISAの使い方|注意点・デメリット

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初心者の方が投資をしたいと考えた時に、NISAというワードが浮かぶことも多いのではないでしょうか?

投資で得た利益に対して税金がかからなくなるというお得な制度ではありますが、実はNISAは使い所が難しく、初心者の方にはあまりオススメしにくいなと感じています。

本記事では、NISA口座を初心者の方にオススメ出来ない理由として、注意すべきポイントをまとめました。

また注意ポイントの対策案も一例をご紹介します。

そもそもNISA口座とは?簡単におさらい

株や投資信託への投資から得た売却益や配当金には、本来約20%の税金が課されることになっています。

しかし、NISA口座を通して取引した場合には本来かかるはずの税金が掛かりません。(取引上限額あり)

非課税口座と呼ばれるのはこのためですね。

節税効果を得られる有難い制度ではありますが、今回は注意すべきポイントも見ていく事にしましょう。

NISA口座は商品選択が難しい

NISAを活用できる投資先には、株や投資信託など幅広い選択肢があります。

投資経験者であれば、自由度が高くメリットともなりますが、未経験や初心者の方がいきなり投資先を選定するのは難しい面もあるでしょう。

例えば実際に、(NEXT FUNDS) 日経ダブルインバース上場投信(1357)という商品が証券会社の買付ランキング上位にも食い込んだことがありました。

この商品は短期的に日経平均と逆の動きをする(日経平均が下がった時に、逆に値上がりする)という特性を持っています。

しかし長期的に見ると、実は時間の経過とともに自然と価値が減少してしまうという特性も合わせ持っているのです。中長期的に持ち続けるという投資には不向きである商品と言わざるを得ないでしょう。基本的に何もしなければ、時間の経過とともに価値が下がり続けるのですから…。

認識したうえで何か意味があって投資をしているのであれば、自己判断ですのでどうこう言う事ではありませんが、特に知識もなく投資をしている方もいらっしゃるのではないかと感じました。

困ったことに、銀行の窓口で勧められることもあるようで注意が必要かもしれません。

このように、投資未経験の方がいきなり投資先の選定をするというのは、やはり難しさを否定できません。

【商品選定対策の一例】つみたてNISAも検討する

NISAと同様、投資から得る利益が非課税になる「つみたてNISA」ですが、こちらであれば投資先が金融庁によって厳選されています。

一定の条件を満たした商品のみに投資が出来ますので、選択の自由を犠牲にする代わりに一定の安心を得られます。

初心者の方でも、比較的長期投資に適した商品群から投資先を選択できるため、自信が無い方にはオススメです。

つみたてNISAの魅力について、以下記事にまとめてみましたので是非ご覧ください。

www.hajimeno-ipo.work

NISAでも元本割れのリスクがある

NISA口座の最大のメリットは、投資で得た利益に対して税金が掛からなくなるという点ですが、そもそも利益が出ずに損失が発生してしまう可能性もあります。

投資をした結果が損失で終わる場合には、そもそも税金はかかりませんので、投資が結果的にマイナスだとするとNISA口座の恩恵は一切ないという残念な結果になってしまいます。

ただしこれはNISAに限らず、投資をするならば仕方のないことではあります。100%勝てる投資ときたら詐欺を疑うしかありません。一定のリスクは許容し、向き合いながら投資に取り組むことが必要です。

NISAという響きに惑わされて、あなたがリスク資産へ投資をしようとしている事実は忘れてはならないでしょう。

【元本割れ対策の一例】iDeCoでの運用も検討する

iDeCoという個人型確定拠出年金であれば元本保証を保ちつつ、掛金に応じて所得税や住民税を軽減することも可能です。(預貯金として運用可能です)

預貯金として運用の場合、高利回りは望めませんが、節税効果を得るだけでも大きなメリットです。

しかし、節税メリットを得る代わりに原則60歳までは受け取れないといった条件があるため、ライフプランに応じて検討することが重要です。

引き下ろせないという資金拘束は大きなデメリットでありますので、安易な運用開始は避けましょう。

iDeCoではなく、つみたてNISAでも、前述の通り商品選定に安心感がある上に、積み立て&長期運用を前提(非課税期間が20年ある)としているので元本割れを回避できる可能性も比較的高まると考えられます。そして長期つみたて投資であれば、ドルコスト平均法の効果も期待できます。

www.hajimeno-ipo.work

NISA口座は非課税期間が中途半端

通常のNISA口座は、非課税期間が原則5年間となっており、つみたてNISAやiDeCoと比べると運用期間が短い制度です。

5年というと、長期的な不景気がもし訪れた場合に、長期投資でそれを乗り越えるには少し不安な年数です。かといって短期的に大勝負をするというのも、初心者の方にはオススメしたくありません。

そうなると、比較的投資経験があり比較的短期で大きなリターンを狙いたいという方が活用するといったところが現実的でしょうか。

自分でしっかり戦略を立てて取り組むまでの覚悟がなければ、使いこなすのは難しいかも知れません。

【投資期間対策一例】割り切って活用する

ここは思い切ってハイリスクハイリターンを狙う、もしくは割り切ってギャンブル的に活用するというのは一つの作戦です。もし大きく勝つことが出来れば、非課税効果を最大限に受けられます。ただし前述の通り、個人的にはあまりオススメではありませんが…。

もしくは、やはり無難につみたてNISAを活用するのが良いのではないでしょうか。

※ちなみに通常のNISA口座でも毎月積み立てるようか買い方は可能ですので、つみたてNISAの年間40万円では足りないという方も検討はありかもしれません。

他の口座と損益通算/損失の繰越控除が出来ない

NISA口座を通して発生した損益は、別の口座と損益通算が出来ず、損失の繰越控除も出来ません。ただしこれは、つみたてNISAでも同様です。

損益通算・繰越控除については以下の記事でまとめてあります。

これはNISAに限らず投資をする上での重要基礎知識なので、必ず押さえてほしいポイントです。

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【対策】損失を埋めるまでは利用を見送る

NISA口座で利益が出た場合に非課税になるという最大のメリットが無意味になってしまうので、特定口座などで損失が出ているのであればNISA口座の利用を見送るべきでしょう。

また、特定口座などでは損失の繰越控除を活用すれば向こう3年間損失を繰り越すことが出来ますので、NISA口座開設の前に損失を埋めることが大切です。

NISAって言っても大変そうだね~。よく考えてから始めよう!

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